ニコニコ学会β 運動会部主催の「第1回運動会ハッカソン」に参加してきました。目当てはバブルサッカー。というかバブル(バンパーボール)。これを着けてVRしたら新しい体験と運動にならないだろうか?
ハッカソン前日 昼
まずVR用のHMD(?)を用意します。百均のプラスチックレンズ数枚と割り箸でこしらえたスマホ用簡易立体視スコープです。輪ゴムで留めてるだけなので柔軟で、調整簡単、ズレてもすぐ直せます。たとえ壊れてもガラスのような危険はなく懐も痛みません。まさに運動向きといえましょう。レンズはコンパクト双眼鏡の対物側片凸レンズで、4枚重ねるとちょうどいい塩梅になりました。なにがちょうどかというと、これで専用映像を見るとまるでOculus Riftのような非常に広い視界が得られるのです。
前日 夕方
次はその専用映像をUnityで作ります。これまでにパノラマやハコスコ用に作った仕組みを流用。両眼に相当する2つのカメラで3D空間をテクスチャにレンダリングし、そのテクスチャを貼り付けた球面メッシュを画面に並べます。ただし計算が難しそうなのでレンズの曲率などは反映しておらず(レンズ自体いいかげんな代物だし)、メッシュはそれらしく見えるよう適当に調整しただけ。この点は必要に応じて改善することにします。
前日 夜
そしてジャイロでカメラの向きを制御できるようにし、iOSアプリとしてビルドしiPhone実機に転送します。これまでの記事では面倒で避けてましたが、必要とあればやむを得ません。しかし実際すごく面倒。iOS7のiPhone 5sが認識されないと思ったらXcodeが古く、XcodeをアップデートしようとしたらMacOSが古いといわれ、これらを順にダウンロード・インストールしながら実機転送用証明書の発行手順を調べ(毎度忘れるというか覚えてられるか)、いざ発行しようと思ったら開発者ライセンスが切れていたのでお金を払って更新し、iPhoneのデバイスIDを調べて入力したり、これらを慣れないうえ古くて遅いMac上で行い、気付くと日付はハッカソン当日。ようやく実機に転送でき、調整が終わった(妥協した)ころには深夜3時を回っていました。ちゃんと前から準備しておけばよかったのでしょうが…。
ハッカソン当日 朝
会場は本厚木駅からバスで30分ほど先の神奈川工科大学です。自宅からだいぶかかるので早起きして機材をまとめて出発。電車の中でウトウト。当日は雨でしたが体育館なので影響ありません。開会式が済むとさっそくバブルを装着して感触を確かめました。HMDを顔にかざす余裕はかろうじてあるものの、自在に転がるのはけっこう大変そう。
当日 昼
各種目を見学しつつ開発開始。バブルVR体験がどんな感じか知りたいだけなので、とりあえずバブルを着て転がってみるだけのアプリを作ることにします。フライトシミュレータのチュートリアルみたいな、空間内のチェックポイントを通過するものにしたらどうだろう。ありがちだが、ゆえに入り口としてわかりやすい。しかしバブルが不安定な姿勢を保ちにくいのと時間がない(手が遅い)のとで、仕様をさらに縮小して「周囲を玉が飛び回る」だけのものを作ることにしました。ゲーム性どころか動機付けすらありませんが、目立つものが動いてれば思わずをそっちを見たくなってゴロンゴロンするかも。しないかもしれませんが、自分はすることにして試してみます。
結果は微妙。でも最初はこんなものでしょう。ちゃんと反省していずれまたチャレンジしてみたいと思います。まずはバブルの自作からか…。
当日 夕方
代表者による各種目のハック結果発表と閉会式が行われ無事終了。この催しはどうやら既存のルールを変えては遊んでみるという趣旨だったらしく(ルールのハック)、なんとなくバブルでVRしてみたいだけの私は空気読めてなかったようですが、それでも自分なりには成果があり楽しむことができました。