定番のマルチモニタアダプタ『TripleHead2Go』を購入。この製品には種類がいくつかあるのですが、さまざまな環境での使い勝手を重視し、アナログ信号にも対応している「Digital Edition」を選びました。
届いたパッケージをいそいそと開封し、ルンルンで自分のノートPCに接続、準備していたディスプレイをつなぎます。まったくなにも映りません。調べた結果、どうやら原因がわかりました。
今回使用したノートPCの外部ディスプレイポートはHDMI、正確には「HDMI1.4a」という規格です。見た目は同じようでもHDMIにはいくつかのバージョンがあり、主に情報の転送速度、端的にいえば映像の最高解像度が異なります。現在最新のHDMI2.0は4Kに対応していますが、1.4はといえば、いわゆるWQXGA、2560×1600ピクセルくらいが限界のようです(一応4Kも映せるがフレームレートが落ちる)。
これがなにを意味するかというと、HDMIポートからフレームあたり2560×1600=約400万ピクセルしか転送できないのだから、出力先3画面の合計ピクセル数もその範囲内に収めなければならない、ということです。理屈は至極当然ですが、そもそも知りもしない規格上限の罠に陥っていたのでした。
というわけで、出力解像度をもっと低く設定します。解像度は付属のユーティリティソフトで設定するのですが、用意された選択肢から選ぶ方式で、縦横ピクセル数を直接指定することはできません。3画面合計で400万ピクセル近くとするには、「800×480(およそ16:9)」または「800×600(4:3)」が適当なようでした(400万ピクセルにだいぶ足りないが、これ以上の選択肢では逆にオーバーして映らない)。ワイドディスプレイに映すには前者が適していますが、少しでも解像度を稼ぐなら後者を採用し、アスペクト比の違いを映像ソース側で調整するのが望ましいでしょう。
なおTirpleHead2Goの名誉のためお断りしておくと、今回は勝手にHDMIを使ったために苦労したのであって、本来対応しているデュアルリンクDVI(最近の機種ではDisplayPort)で接続すれば普通に高解像度で3画面出力することができます。