平日に会社をサボって『武蔵美GameJam』に参加してきました。大学主催の「映像学科の学生さんと一緒に15時間でゲームを作るGameJamイベント」で、学生に異分野間のチーム制作を体験させたい狙いがあるようです。
ゲームジャムは初参加でしたが、遊び心のある仕切りで、サクサクとチームビルディング・ブレスト・企画発表が進んでいきました。というのもこのイベント、バンダイナムコスタジオ(BNS)のプロゲーム制作陣が運営しており、司会やサポート態勢がたいへん充実しているのです。またユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの協力で、イベント期間限定のUnityフルライセンスが提供されました。
チームは3つ。私が属したのは自分含む一般参加者2人、学生3人の「平八」チーム。ゲームデザイン・アートディレクション・プログラム・デザイン・サウンドなど分担し、開発が始まりました。
企画は微生物同士の捕食をモチーフとしたパズルゲーム。私はプログラムを担当し、ひたすら実装していきます。しかし制限時間を考慮したシンプルな仕様にも関わらず、途中でハマってしまい、1日目はろくに形にならないままあえなく終了。徹夜なしの健全なイベントなので、翌日にすべてが賭かります…。
そして2日目。さすがに仕様を縮小しようかという話し合いのなか、そもそものルール解釈が誤っていたことが判明。この時点ですでに昼を回っていたのですが、ギリギリいけると判断し、ロジックを作り直すことに。
長年の修羅場に慣れてしまったせいかこうした状況でもわりと楽観的なうえ、ゲームジャムはあくまで遊びなので淡々とプログラムしていましたが、がんばっている学生さんたちに対してやはり完成させないと申し訳ないというプレッシャーは感じていました。
そんな気持ちとは無関係に時間は過ぎ、16時45分、開発終了。不完全ながらも、なんとかゲームの体裁まで持っていくことができました。最低限の動きしか実装できなかったにも関わらず、さすが美大、学生さんたちのデザインやアニメーションに救われなかなかの見栄えです。
試遊会・投票の結果、我らがチームの作品『ビ生物』は2位。最優秀の栄誉とその豪華賞品(秘密)は逃したものの、間に合わず遊べない状況も覚悟していただけにホっとしました。
ゲームジャムに参加する前はゲームなんてゆっくりじっくり作ればいいのにと思っていましたが、実際に経験して振り返ってみると、BNSの方が仰っていたようにゲーム制作各工程の難しさが凝縮されて現れていることに驚かされます。今回の自分の担当でいえば仕様の齟齬など。恥ずかしながら一応プロの私ですらそうだったので、学生さんたちはさぞ多くのことを感じたのでは。成果物より体験が重要なのですね。一方でゲーム制作の楽しさ、みんなの成果を形にして、感想をフィードバックしてまた形にして、というサイクルを十分味合わせることができなかったのは申し訳なく残念でした。
しかしこれに懲りず、機会があればまた挑戦してみたいと思います。わざわざ時間を作ってきた、一般参加の異業種の方との共同作業も刺激になりました。今度は平日じゃないといいですね…。