技術担当の谷口です。まずはこれまで携わってきた案件を、記憶の新たなものからさらっていくことにします。
先日幕張メッセで催された第6回ニコニコ学会βシンポジウムにおける常設フロア企画、『デジタルスポーツ研究展示』のとあるブースを手伝いました。スポーツ映像にCGエフェクトを合成することで、ふつう目に見えない運動の力学を楽しく可視化しようという研究です。題して『スポーツ超LIVEテクノロジー』。次世代放送規格ハイブリッドキャストや2020年の東京オリンピックを見据えた、クライアントのD社らしいテーマです。今回の成果は次のようになりました。
このテーマではさまざまなスポーツと技術との組み合わせが考えられますが、最終的にはシンプルに、重量挙げの動作をKinectを使って演出することに決まりました。開発難度を抑え期限までに確実に実現するためもありますが、はた目にピンとこない選手の力を示すのにふさわしい題材だったからです。
プログラムの流れはこうです。
- Kinect正面のバーベルの前に立つ。画面にプレイヤーの姿が映る。
- 屈んでバーベルをつかみ、プレイ開始。画面上のプレイヤーにエフェクト発生。
- バーベルを肩の高さまで引き上げる。その力に応じてエフェクト増幅。
- バーベルを頭上に持ち上げてバンザイ。エフェクト炸裂しプレイ終了。
3,4は競技ではクリーン&ジャークと呼ばれる動作です。ここでは3を抜かして一気に頭上まで持ち上げてもかまいません(スナッチと呼ばれる)。腰をやられますが。
実現のハードルは2つ。重量挙げの動作をいかに検出するか。そしていかに演出するか。