アタリオブジェ #1 企画~ソフトウェア制作

今月催されたアタリ10周年記念パーティのために会社ロゴのオブジェを作りました。以前作ったシステムを流用して会場の壁などにプロジェクション演出せよとのお達しだったのですが、せっかくなので一から立体を作り、3Dプロジェクションマッピングすることにしたものです。

設計図

まずSketchUpでモデリングしてみました。スケール感を掴むとともに、これくらい単純な形なら自作できると判断し、制作を進めます。

atali object plan

オブジェ周囲の4つの直方体は短焦点プロジェクター。使用機種のスペックと投影面積とから必要な距離を求めて配置する


映像

投影映像をUnityで作ります。イメージは「鏡面金属製オブジェ」。周囲の景色がリアルタイムに映り込む金属的な質感をプロジェクションで実現する。前回の『現実環境マッピング』はこのための布石でした。その仕組みに演出として、また鏡面の質感を強調するため凹凸や動きを表面に加えます。表面のパターンはいくつかのアルゴリズムと乱数によりほぼ無限に、ゆっくりと変化していきます。また、ときどき水面のような波紋も広がります。

マッピング用出力

メッシュの外形はオブジェの寸法と同じ比率の直方体。その前後左右各面に正対するよう4つのカメラを据え、各レンダリング結果を4台のプロジェクターで実物のオブジェに投影するのが基本的な仕組み(角度によっては2つのカメラ/プロジェクターでも実現できるが、今回の内容と機材では面に正対することが必要でした)。ただし実際にはテクスチャにレンダリングしたものを一旦平面メッシュに貼り付け、そのレンダリング結果を投影するという回りくどいことをしています。これは平面メッシュの頂点を動かすことで投影時の歪みを補正できるようにするため。

ataliUnity

直方体に黒マスクをかけて「当」ロゴの形に見せかける。平面メッシュの頂点操作には「単独で移動」「周囲の頂点も巻き込む」などいくつかのモードを持たせた。ここの作りが甘いと現場で調整しきれない

シミュレーション

ソフトができたらオブジェの制作に移りますが、実物にとりかかる前にミニチュアをこしらえてパーツの分割や投影をテストしました。

Scale model

ミニチュアは1/4スケール、工作用紙製。とりあえず前面にのみ投影